「戦略は正しいはずなのに、現場が動かない」という状況は、多くの会社で繰り返されています。問題は戦略の質ではなく、戦略が現場に届くまでの経路にあることがほとんどです。このページでは、その断絶がどこで起きているかを確認するための視点を整理します。

「伝えた」と「届いた」は違う

経営会議で決まったことをメールで全社に送った。それで「伝えた」と思っている経営者は多いです。しかし現場のスタッフにとって、そのメールは読んでも「自分の仕事に何が変わるのか」がわからないことが多い。「伝えた」と「届いた」の間には、翻訳の作業が必要です。その翻訳を誰が担うかが明確でないと、戦略は宙に浮いたままになります。

中間管理職が翻訳者になれているか

戦略を現場に届ける役割を担うのは、多くの場合、部門長や課長クラスの中間管理職です。しかし彼らが経営層の意図を正確に理解していなければ、翻訳は歪みます。また、理解していても「現場にどう伝えればいいか」のスキルがなければ、同じことが起きます。中間管理職が翻訳者として機能しているかどうかを確認することが、最初のステップです。

現場からの情報が上に上がっているか

断絶は一方向ではありません。現場で起きていることが経営層に届いていないことも、同じくらい問題です。現場のスタッフが問題に気づいていても、「上に言っても変わらない」「言い方がわからない」という状況では、情報は止まります。経営層が現場の実態を知らないまま戦略を作ると、ズレが生じるのは当然です。

会議の設計を見直す

情報の流れを変えるために、まず手をつけやすいのが会議の設計です。週次の短い情報共有の場を作る、現場リーダーが5分で話せる場所を設ける、といった小さな変化が、情報の流れを大きく変えることがあります。長野の精密部品メーカーとのプロジェクトでも、この方法が最も効果的でした。

まず自社の状態を確認する

Blend Coredexでは、現場観察で実際に使っている「戦略と現場の断絶チェックリスト」(PDF全12項目)を無料で配布しています。自社の状況を確認する出発点として使ってみてください。チェックリストの結果を持ってスポットコンサルにいらっしゃる方も増えています。

戦略と現場の断絶は、多くの場合、構造的な問題です。個人の努力や意識の問題ではありません。まず現状を正確に把握することが、解決への最初の一歩です。