「何度稟議を出しても通らない」という相談を、毎年いくつかいただきます。提案の内容が悪いのではなく、資料の構成と数字の見せ方に問題があることがほとんどです。このページでは、取締役会で承認が下りやすい提案書の作り方を整理します。

承認者が最初に見ているもの

取締役や経営層が提案書を見るとき、最初に確認するのは「リスクの大きさ」と「撤退条件」です。事業の魅力や市場規模より先に、「これが失敗したとき、どこまでの損失が出るか」「どの時点で止めるか」を知りたがっています。この部分が曖昧な提案書は、どれだけ市場分析が丁寧でも、承認が下りにくい傾向があります。

数字の見せ方:楽観シナリオだけを出さない

売上予測を一つのシナリオだけで出すと、「根拠が薄い」と見られます。最低・標準・最良の3シナリオを並べ、それぞれの前提条件を明示することで、提案の信頼性が上がります。特に最低シナリオの根拠を丁寧に説明することが重要です。「最悪でもこの程度」という安心感が、承認の背中を押します。

パイロット設計を提案書に含める

「まず小さく試す」という設計を提案書に含めることで、承認のハードルが下がります。全社展開の前に、特定の地域・顧客・期間で試験運用する計画を具体的に示す。その試験運用で何を確認するか、どの数字が出れば次のフェーズに進むかを明示することで、「取り返しのつかない決断」ではなく「段階的な判断」として提案できます。

社内の反対意見を先に潰しておく

稟議が止まる理由の一つに、「会議の場で初めて反対意見が出る」ことがあります。提案書を出す前に、関係する部門長や影響を受けるチームに個別に話を聞き、懸念点を把握しておく。その懸念に対する回答を提案書に含めておくことで、会議での議論が建設的になります。Blend Coredexでは、この根回しのプロセスも支援しています。

稟議が通らないのは、事業のアイデアが悪いからではないことが多いです。資料の構成と、承認者の視点に立った説明の仕方を変えることで、状況が変わることがあります。